自 然 乾 燥

 (斎藤 精三郎)

 

概要

 未完熟の瓢箪は通常の『仕上げ』過程の途中で崩れてしまう。
 自然乾燥法は未熟な瓢箪の形を残したい場合に有用である。すなわち、収穫した未熟の瓢箪を軒下等に吊るしておいて自然に乾燥させる。この方法では途中で瓢面に各種のカビが生えて、様々な紋様が表れる。紋様を楽しむのも良し、乾燥後に和紙貼りなどの加工を施すのも良い。小型種〜中型種及び長瓢系の品種には適用できるが、大型種以上は乾燥前に腐ってしまうことが多いので、自然乾燥法の適用は困難である。
                                         

作業手順

(1) 果梗のところに穴をあけ(水漬けの場合と同じ)、穴を下にして風通しのよい、雨の当たらないところに吊るして置く。( 瓢箪のの尻に小さな穴をあけ、果梗を吊るして乾燥させる場合もある。) 
(2) カビが生えてくると、急激に乾燥が進む。
(3) 乾燥後、そのまま保存することも可能であるが、薄皮を削りとって殻を露出させ、透明塗料でツヤ出し、あるいは和紙貼り(乾燥瓢の加工法に記述)等を行って観賞価値を上げることも推奨できる。


注意

・未熟瓢を材料とするため、乾燥瓢の強度は劣る。手荒には扱わないように。
・長期保存の場合は、虫の発生を見ることがあり、スプレー等で殺虫する。

 


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