紅ガラ塗装

(川村 正史)

 

概要

 紅ガラ塗料(紅ガラと松煙墨か墨汁を好みの色となるように調合したもの)を瓢面に塗装する。カシュー塗装に比べて、工法が簡単で仕上がりが早い。
         
材料・用具
1) 塗料の材料:紅ガラ、松煙墨か墨汁(または柿渋)、少量の食用油、水
2) 調合容器:すり鉢(口径20p位):すりこぎ棒(直径2p、長さ20p位の丸棒)
3) 布片:調合した塗料液を含ませるタオル、塗装液を塗るための布片
4) ラッカースプレー(透明つや消し)
5) 紙ヤスリ 180#

       

作業手順

1. 紅ガラ塗装液の調合
  松煙墨(粉末)をすり鉢に入れ、油を少しずつ注いで、松煙墨とよく混ぜる(すりこぎ棒で)。
次に、紅ガラを少しずつ加えて松煙墨と混ぜる。このとき、仕上がりの色を考えながら紅ガラを入れること。混合中、液に粘りがでてくるので、塗りやすい軟らかさにするため、水を少量入れる。塗装液が出来上がったら、タオル片を入れ、塗装液を充分にしみ込ませる。
2. 塗装
  メリヤスの布片に塗り液を付着させて、瓢箪の尻部から頭部に向けて”すり込む”ように、少し厚めに塗る。一度乾いたら、重ね塗りはしない。
3. 塗装後の処理
  15分程度で乾燥させた後、乾いた布片で塗り面を磨いて、余剰の塗料を落とす。
ラッカースプレー(透明つや消し)を磨き面にスプレーし、仕上げとする。
(仕上げのスプレーは、薄めにかける。乾いたら、また、スプレーする。これを数度繰り返す)
4. その他
 
紅ガラ調合液の保存法
  使用後の残余調合液(タオル 1/2にしみ込ませたもの)を保存する場合は、タオル片に充分しみ込ませて回収し、ビニール袋に入れ、口を閉めて保存する。次に使用するときは、調合液のしみ込んだ布片を「すり鉢」に戻し、清水を少し注ぎ「すりこぎ棒」で布片を軽く叩いて調合液を再生させる。

紅ガラ塗装の後、金スプレーを軽く掛けて「薄め液」で拭くと、古代金のような雰囲気が楽しめる。


 

 


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